2012年3月17日土曜日

ORITOトリビュートライブ2012、ありがとう!そして...

昨夜の吉祥寺スターパインズカフェでのORITOトリビュートライブ、
沢山の皆さんに観てもらう事ができた。
ゴスペラーズやSkoop On Somebodyのファンの方も多かったと思うが、
ORITOさんの遺した曲や僕らの演奏を聴いてもらう事ができて
本当に良かったと思う。

2008年の渋谷Duo、大阪クアトロ。
2010年2月のJirokichi 高円寺。
そして昨年2011年の渋谷Duo、大阪Janus。

今年は会場を吉祥寺スターパインズカフェに移したが、
大阪も勿論開催だし、さらに広島でも開催となる。
FREEFUNKとしては東京だけの参加だけど、
こうやってどんどん広がっていくのは素晴らしい事だ。

終演後の打ち上げで、ゴスペラーズ村上さんに
「来年から主催持ち回りでいくから、(来年の主催)よろしく頼むわ!」
と言われた(笑)。
やりますか!やりましょう!

ところで。

昨夜は全員素晴らしい歌と演奏だったのは言うまでもないことだけど、
個人的ベストは、JAY'ED君の「懺悔の気持ち」。
まさかこの曲をライブで、しかもJAY'ED君の歌で聴けるとは思ってもなかった。

この曲には知られざる歴史がある。
トリビュートアルバムの最後にボーナストラックとして収録されていた、
ORITO幻(?)の未発表曲だが、ORITOさんは元々この曲をJAY'ED君に歌ってもらう事を
念頭においていたのだ。

生前ORITOさんは、僕とどこかに出かけたり、何か一緒に作業をするのに
よくクルマに乗せて連れていってくれた。
あるとき、クルマの中で自分の新しい音源を聴かせてくれたのが
「懺悔の気持ち」だった。

「JAY'ED君のデビューに向けて1曲、
楽曲提供する話があるんだけど、
この曲で行こうと思うんだよね」
と、ちょっと悪戯っぽい笑顔でクルマの中で聴かせてくれたのだ。

車内で響いたその曲は
どブルースそのもの、だった。
「ど」を太字にするか、3個ぐらいつけたくなるくらい。
どどどブルース。。。

「ええ、こんな曲をJAY'ED君に?」
という僕の反応を面白がっていた。
当時2007年といえば、
JAY'ED君はメジャーデビューに向けて羽ばたこうとする直前。
新世代のR&Bシンガーとしての期待を背負ってのデビューだ。
そのタイミングで提供する曲が、どブルースとは。。。

ORITOさんの考える事はすごいなと思った。
しかも、この曲はORITOさん自身の一世一代の名曲
「感謝の歌」と対をなしている。

「感謝の歌」は、関わってくれた人達への感謝の念を起点に、
海、太陽、森へと、あらゆるものへの感謝へと昇華し
究極的に愛する「君」への感謝を歌う曲だ。
日本人古来の自然崇拝にも近い世界観だ。

もし最後の「君」が「神」であったなら、
それはゴスペルの世界観であり、
「神」ではなく「君」への愛の歌となっている時点で
この曲はソウルミュージックの王道そのものだ。

対して「懺悔の気持ち」は
ゴスペルと対をなしながら対極的な世界、
つまりブルースそのものだ。

♪心からの懺悔 この気持ちを
捧げるからどうぞ 行かないで
明日からはきっと 悔い改めるよ
どこにも行かないで そばにいて

この主人公はとことんダメな奴である。
自分本位で、気まぐれで、
「君」をなんども傷つけてしまう。
そしてそのたびに謝り、
「行かないで」と情けない事をいう。

ORITOさんが運転するクルマの中で、
僕はORITOさんにこう言った。
「この主人公って、きっとブルースの世界そのもので、
謝りながら、また同じ過ち繰り替えしちゃうんですよね」

ORITOさんはニヤッと笑いながら
「そうそう、謝りながら心の底では舌を出してるような、
そういうダメな男の歌なんだよね」

R&Bをベースに、J-POPシーンでも大活躍をしている
JAY'ED君が、昨夜集まった多くのファンの前で、
こんな「どブルース」を見事に歌い切って、
自分の世界へとこの曲を引きずり込んでいたのを観て、
本当に感激してしまった。

終演後思わず、彼のところにいって
自分の感激した思いのたけを伝えてしまった。
というわけで、ミーハー精神丸出しで
記念の2ショット(笑)。

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